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合成皮革と人工皮革の違いとは?天然皮革とどっちがいいの?

#ケミカルシューズ#人工皮革#天然皮革#婦人靴#神戸#耐久性#裏基布#靴

こんにちは、Tommyです!

前回のブログ、ケミカルシューズとは?でもちらっとお話した、合成皮革と人工皮革。これらが明確には別物だとご存じですか?

あくまでこの業界、しかも日本国内での区別であって、海外では区別はないみたいですが、私たちはそれぞれ、合成皮革を「合皮(ごうひ)」、人工皮革を「人皮(じんぴ)」と呼んで区別しています。

さて、何が違うのでしょうか?早速見ていきましょう!

合成皮革と人工皮革の違い

結論から申し上げます。合成皮革と人工皮革の一番の違いは、裏基布(うらきふ)の違いです。

合成皮革も人工皮革も、裏基布の上にポリ塩化ビニール樹脂やポリウレタン樹脂などを塗布することで作られていますが、そのベースである裏基布が何で作られているかということです。

靴の状態で確認することは難しいかもしれませんが、素材そのものの裏地を確認すると一目瞭然です。「裏基布に織・編布が使用されているものが合成皮革で、裏基布に樹脂を絡ませた三次元極細不織布を使用しているものが人工皮革」なのです。

文字にすると難しいですね!私も書いていてびっくりしました!笑

簡単に言うと、裏面が織物ならば合成皮革、マイクロファイバーであれば人工皮革。こう覚えておけば間違いないでしょう。

天然皮革とどっちが良いの?

天然皮革との比較検証は、機能面、価格面、耐久性など、様々な観点から検証することが必要です。

それぞれの特徴についてみていきましょう。

天然皮革の靴

靴に使われる天然皮革と言えば、牛革、馬革、羊革、豚革などが一般的ですが、その良さはやはり経年変化によって足に馴染むようにフィットし、味わいが増し、ものによっては一生ものともいえる耐久性にあるでしょう。

革の鞣し(なめし)※1 の工程に手間暇がかかったり、素材そのものの価格もあって、一般的には合成皮革よりは高価になってしまうことが通例です。

※1 生の「皮」を、製品に使える状態の「革」に加工すること。

合成皮革の靴

合成皮革はリーズナブルであるのが特徴であるため、二次・三次加工表現も多種多様にでき商品バリエーションが広いです。エナメル素材、ガラス素材、シボ感のある素材など、一目見ただけでは合成皮革なのか天然皮革なのか、区別がつかないものも存在します。

加水分解 ※2 を起こしてしまうので、一生ものというわけにはいきませんが、トレンドのデザインなどに取り入れられることが多いように感じます。スニーカーなどにもよく使われていますね。

※2 水分や空気中の湿気によって発生する分解反応で、表面がゲル化したり、ボロボロと剥がれてしまうような化学反応。

人工皮革の靴

人工皮革は天然皮革により近い一体感を持ち、製品の印象だけではほとんど本革と見分けがつかず、天然皮革と差がない、もしくはさらに高価であるものも存在します。

それだったら天然皮革の方がよいのでは。。。という気もしますが、水や汚れに強く、ストレッチ機能や高耐久機能、抗菌防臭などの機能を付加でき、安定供給が可能な人工皮革。

最近ではビーガンレザーの一種としても注目されており、環境に配慮した素材から作られているものもあるようです!

さて本題に戻りますが、「どっちがいいの?」という問いに対しては、何に対して価値を見出すか、人それぞれだと思います。

靴のお手入れが好きで、育てる感覚を味わいたい方には天然皮革が良いでしょうし、トレンドを敏感に察知し、今のおしゃれを楽しみたい方には合成皮革が良いかもしれません。新しい素材を試してみたい、または環境問題に配慮したい方には特殊な人工皮革を選ぶのも良いかもしれません。

進化が止まらない合成皮革、人工皮革については今後の更なる発展が気になるところです。

今回は少し難しい話でしたが、いかがでしたでしょうか?

ご質問等ございましたら、お気軽にコメントくださいね!

それでは、またお会いしましょう。

この記事の著者

Tommy

1984年神戸生まれ、神戸育ち。貿易の仕事をしていた頃、趣味で通った靴づくり教室の先生からの紹介で、神戸の靴業界へ飛び込むことに。現場の店長から始め、現在では国内・海外へ神戸靴を紹介する日々。現場でのシューフィッター経験や、国内外での営業経験を生かして、靴のマメ知識をわかりやすくお届けします。

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