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靴がボロボロになるのは、加水分解が原因?

#ケミカルシューズ#ポリウレタン#人工皮革#加水分解#合成皮革#婦人靴#神戸#靴#靴のお手入れ#靴の保管

こんにちは!Tommyです。

先日は靴の保管についてのお話をしましたが、長い間保管しておいた靴底がボロッと取れたり、靴表面の素材がベタベタだったり、ボロボロと剥がれたりという経験はありませんか?

こうなると修理できないことも多く、お気に入りの靴とさよなら。。。なんてことも。これはショックですよね。。。

今回はこれらの現象を紐解くとともに、この現象を予防するという観点でお話をしたいと思います。

靴はなぜボロボロになるのでしょうか?

結論から申し上げましょう。靴底がボロっと取れるのも、靴表面がボロボロと剥がれるのも、「加水分解(かすいぶんかい)」と呼ばれる現象によるものです

難しいですが、まずその定義をご説明しましょう。

加水分解とは化学的反応のことで、ポリウレタンが水分に反応し分解生成物が得られる反応のことを指します。H2O(水分子)がポリウレタン上でH(プロトン成分)とOH(水酸化物成分)に分割し、取り込まれることで起こる現象です。

岡畑興行の「くつナビ」

難しいですね。。。でも安心してください!原因はともかく、どうしたらよいかを学ぶことが今回の目的です!

キーワードは「ポリウレタン」

ここでのキーワードは「ポリウレタン」です。ちなみに私たちの業界では「ウレタン」と「ポリ」を略して呼びます。それはまぁさておき。。。

靴の中でこのポリウレタンがどこに使われているかといますと、スニーカー系の底などに使われるポリウレタンスポンジ素材のアウトソール(外底)や、合成皮革、人工皮革などのポリウレタン樹脂によって表面が加工されているものです。

つまり、底がボロっと取れるのはポリウレタンスポンジの底、そして表面がベタベタしたり、ボロボロと剥がれるのは、合成皮革、人工皮革で作られた靴で、これらが加水分解した状態ということです。

(本革と謳っている商品の中にも、表面をポリウレタン樹脂で加工しているものもあります。)

これらを食い止めることは実は不可能で、製品が完成した瞬間から劣化は始まっています。こう聞くと悲しいのですが、遅らせることはできるのです。

靴の寿命を延ばす対策

靴の寿命を延ばす方法は2つ、「こまめに履くこと」と「靴の正しい保管」です!

靴を履くことで靴底の水分を分散させ、加水分解を抑制することができますし、高温多湿を避け、靴を正しく保管・メンテナンスすることで靴表面の加水分解を遅らせることができます。

詳しくは前回のブログ「靴の保管方法とは?靴箱にしまってませんか?」に詳しく載せておりますので、併せてお読みください。

靴の寿命を延ばすためには皆さんの頑張りが欠かせませんが、靴好きのあなたなら、今後の行動が変わってくるのではないでしょうか?

皆さんの知識を増やすべく、今後も発信を続けてまいりたいと思いますので、どうぞお付き合いくださいませ。

それでは今回はこの辺で!

この記事の著者

Tommy

1984年神戸生まれ、神戸育ち。貿易の仕事をしていた頃、趣味で通った靴づくり教室の先生からの紹介で、神戸の靴業界へ飛び込むことに。現場の店長から始め、現在では国内・海外へ神戸靴を紹介する日々。現場でのシューフィッター経験や、国内外での営業経験を生かして、靴のマメ知識をわかりやすくお届けします。

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