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痛くないパンプスって?あなたは本当に幅広・甲高ですか?

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こんにちは、Tommyです!

「痛くないパンプスはどれですか?」こんな質問をお客様からよく頂きます。

みなさん一様に「痛くないパンプス」なるものをお探しのようです。痛くないパンプスとは、いったい何なのでしょうか?

パンプスを履くと痛いのはなぜ?

痛いパンプスはずばり、サイズが合っていません。

パンプスだけに限った話ではありませんが、パンプスは紐靴のように調整が効かず、ぴったりしたものを選ばないと歩きにくく、足のどこかが痛くなりやすい靴種です。

長さが合っていないのか、幅が合っていないのか、かかとが合っていないのか、要因はお客様によって様々ですので、今回は私が感じる最も原因の多い一つの理由について突き詰めていきたいと思います。

「自分が幅広・甲高だという思い込み」です。

日本人が幅広・甲高だという神話は今の時代にはもはや当てはまりません。確かにそういう時代もあったと思いますが、生活様式が変わり、幅広・甲薄という人も多く、10代20代の方の中には真逆の幅狭・甲薄の足をよく見かけます。

そんな方がなぜ幅広・甲高であると思い込むのか。それはおそらくパンプスを履いた時に、拇趾(ぼし:足のおやゆび)や小趾(しょうし:足のこゆび)の付け根の側面が痛くなるからだと思います。

パンプスを履いて、立った状態でかかと側を鏡越しに見てみてください、指が入るほどの隙間が空いていませんか?

この場合はパンプスが脱げやすくなるだけではなく、かかとを何度もこすってしまい、靴擦れを起こしてしまう可能性があります。

靴擦れも勘違いされやすいことが多いのですが、「靴サイズが小さくて起こる」ことよりも、「靴サイズが大きくて起こる」ことの方が多いのです。

足長(そくちょう:足の長さ)が合っているのであれば、それはパンプスの傾斜によって足が前に滑り込んでいるからかもしれません。

そのパンプス、調整が必要です!

全ての方がオーダーメイドでパンプスを作ることができれば一番良いのですが、当店はあくまで既製品を売る靴屋さんです。

そして現状、日本製のパンプスは「幅広・甲高向け」に作られている場合がほとんどです。ここは本当に申し訳ない点で、10年以内にこの業界は変わるべきなのですが、それはさておき。。。

とりあえず合わないまま履くのではなく、パンプスを足に合わせにいく方法」についてご紹介いたしましょう。

1.足長を合わせましょう

まずは足長(そくちょう:足の長さ)の合うサイズを見つけましょう。とりあえずいつものサイズを履いてみて、大きい、小さいを判断していけば良いと思います。ほとんどの方が左右差があると思いますので、大きい方の足に合わせてくださいね。

この時注意したいのが、パンプスを試着する際、ご自身はストッキングで履くのか、ソックスで履くのか、裸足で履くのかを明確にしてください。いつも履くスタイルで履いていただくと、誤差が少なくて済むと思います。靴屋さんはだいたい試着用のストッキングを持っていますよ!

かかとをパンプスのヒールカーブ(かかと部分)にぴったりと合わせて、両足履いて立ち上がってください。この時必ず立ち上がりましょう、足に体重がかかり、それだけで足のサイズは変化します。

指が曲がったり、パンプスの先に当たったりせず、捨て寸(すてすん:つま先の足の入らない部分)が1~1.5cmほど確保できていれば足長はおおよそ合っていると思います。

2.歩いてみましょう

店頭では必ず両足でパンプスを履いて、歩いてみましょう。

お店の雰囲気によっては歩きづらい場合もあるかもしれませんが、そんな場合でも一言断って必ず歩かせてもらってくださいね。

ここで足が前方へ滑って、拇趾(ぼし:足のおやゆび)や小趾(しょうし:足のこゆび)の付け根の側面が痛くなりそうな方、かかとがスポスポと抜ける方はそのパンプスのサイズに対して甲が薄いか幅が狭い可能性があります。

ここで調整が必要になります。

3.調整は必ず足前方で!

脱げやすさを防止するため、かかとにパッドを入れている方をよく目にしますが、今までお話した内容が当てはまる方には逆効果ですのでご注意ください。

パッドの厚みで足を前方に押してしまい、余計に脱げやすくなることは容易に想像でき、足前方の痛みを助長しかねません。

方法は2つです。足裏側に滑り止めを敷くか、パンプスの甲側に厚みを持たせて前滑りを止めます

どちらが合うのか、幅広・甲薄の方と、幅狭・甲薄の方では対応が違ってきますが、手に入れやすいのは足裏側に敷く滑り止めです。

靴屋さんにサンプルなどが用意されている場合もあるので、まずは試しに滑り止めを入れて歩いてみましょう!

購入時にはぴったりサイズを選んでください

長さは合っているのに、幅や甲の高さが合っていないパンプスを「大きいからワンサイズ小さいものを履いて、伸びたときにちょうど良くなる」履き方をされるお客様がおられます。

もちろんパンプスは履けば履くほどアッパー(甲革:こうがわ)が伸びますし、底も柔らかくなるものなので、次第に緩い履き心地になることは避けられません。でもだからといって痛いのを我慢して履いたり、小さいサイズを履くことは、足にとって良くありません。

これとは逆に、足が痛くなるからといって大き目のサイズを購入されるお客様にも同様のことが言えます。こちらは脱げまいと無理をして歩いたり、足が前滑りして、つま先側の痛みの原因となることもあります。

ここからはかなり個人的な意見となりますが、何より一番よくないのは「履かなくなること」だと思っています。

せっかくそのデザインを気に入って買ったのに、サイズが合っていないという理由で履かなくなるのは本当にもったいない。靴、特にパンプスはあなたのテンションを上げるアイテムであってほしいのです。

あなたの足をパンプスに合わせに行くのではなく、パンプスをあなたの足に合わせにいく。どうかこの方法を思い出してください。そして購入時には、大きくもなく、小さくもなく、よりぴったりに近いサイズ感でのご購入をお勧めいたします。

さて、長くなりましたが今回はこの辺で!

この記事の著者

Tommy

1984年神戸生まれ、神戸育ち。貿易の仕事をしていた頃、趣味で通った靴づくり教室の先生からの紹介で、神戸の靴業界へ飛び込むことに。現場の店長から始め、現在では国内・海外へ神戸靴を紹介する日々。現場でのシューフィッター経験や、国内外での営業経験を生かして、靴のマメ知識をわかりやすくお届けします。

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